新型コロナウイルス感染症により入院した患者1,066例を対象とした追跡調査では、診断から12ヵ月後でも約30％、およそ3人に1人に後遺症が認められています 2）。

症状としては疲労感・倦怠感、長引く咳や痰、頭痛、動悸などの他にも、関節痛、筋肉痛、息切れ、脱毛、記憶障害、集中力低下、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下など非常に多彩です 2)3)。

これらの症状は、コロナに感染してすぐの時期から持続する場合や、回復した後に新たに出現する場合、時期をおいて症状を繰り返す場合など様々です 2)3)。

コロナ後遺症の原因は現段階では明らかになっておらず、治療法は確立していません 4）。時間の経過とともに改善していくことも多いですが、症状や経過は患者さんによって多彩で、一部には社会生活に大きな制限が生じることもあります。ただし、対症療法（症状に対する治療）を行うことで、症状の緩和が期待できる可能性もあります 4）。当院では各症状に対して西洋の薬だけでなく、必要に応じ漢方なども組み合わせて体質改善を図るなど、その患者様おひとりおひとりに適した総合的な診療をおこなってまいります。
コロナ感染後に長引く体調不良を感じておられる方は、お気軽にご相談ください。

【参考資料】
1） WHO：Post COVID-19 condition fact sheet. World Health Organization. European Region
2）厚生労働省：厚生労働省：厚生労働科学特別研究事業.新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究.令和3年度 総括研究年度終了報告書.
3）東京都：（第88回）新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料（令和4年5月31日）資料12
4）厚生労働省：新型コロナウイルス感染症（COVID-19）診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント・第2.0版