2024/01/11
リウマチ因子は職場健診や人間ドックの項目に含まれることもあって、リウマチを疑う症状はないけど、健診で「陽性」になったため心配になって受診される方もときどきいらっしゃいます。リウマチ因子はその名の通り関節リウマチ患者さんの70~80%で陽性になりますが、関節リウマチではない人の10~20%にも偽陽性(リウマチなのに、陽性にならない)となってしまう検査です。
では、関節リウマチ以外にどんな疾患で陽性になるのでしょうか?
【リウマチ因子が陽性になる疾患】
シェーグレン症候群 75~95%
混合性結合組織病 50~60%
全身性エリテマトーデス 15~35%
全身性強皮症 20~30%
皮膚筋炎・多発性筋炎 20%
血管炎(PAN、GPA) 5~20%
サルコイドーシス 5~30%
原発性胆汁性肝硬変 45~75%
肝炎ウイルス感染症 25~76%
結核 15%
梅毒 8~37%
ヘルペスウイルス感染症 10~15%
[Dis Markers. 2013; 35(6): 727-734.より引用改変]
さらに、リウマチ因子は健常人でも5-10%に陽性となることもあるため、「リウマチ因子陽性=何らかの病気」というわけではありませんが、関節リウマチ以外に他に隠れている病気がないか、注意が必要です。